「非離別家庭で育った人たちと比べて、離別家庭で育った人たちは、心理的ウエル・ビイイング、教育程度、職業上のステイタス、生活水準、そして結婚生活の満足度が低く、離婚して単親になる危険性が高く、行動上ならびに健康上もより大きな問題を抱えていた」(Amato, 1994)

「最近の研究報告によれば、離別家庭の子どもは、身体的病気への罹病率が有意に高いと報告されている。1995年に発表された公衆衛生についての報告によれば、幼児期に親の離婚を経験した大人の寿命はそうでない大人に比して短いことも報告されている」

引用・参考文献:棚瀬一代(2007)『離婚と子ども -心理臨床家の視点から-』創元社 P20~

 

「アマトとケイスによる一三〇〇人以上の子どもが含まれる九二の研究のメタ分析(分析の分析)結果によれば、離別家庭の子どもは非離別家庭の子どもと比べて、平均的にいえば、より多くの問題を抱えており、そのウェル・ビィーイング(身体的・心理的・社会的適応度)は、低いといえます」

「アマトは、子どものときに親の離婚を経験した八万人の成人を対象とする三二の研究を集めてメタ分析も行っています。その結果によれば、平均的にいえば、親の離婚は子どものライフ・コースにまで影響を及ぼしていました。つまり、非離別家庭で育った人たちと比べて、離別家庭で育った人たちは、心理的適応度、教育程度、職業上のステイタス、生活水準、そして結婚生活における満足度などがおしなべて低く、離婚する危険性、あるいは単親になる危険性が高く、行動上も健康上も、より大きな問題を抱えていたと報告されています。」

「親の離婚を経験した一三一人の子どもを対象に二十五年間にわたって追跡調査したワラスティンの研究も同様の報告をしています」

引用・参考文献:棚瀬一代(2012)『離婚と子どものウェル・ビィーイング』教育と医学60(2)

 

「自分のことを「離婚家庭の子ども」と自己定義し、自尊感情は低く否定的な自己像を形成していた。さらに、「自分の親は離婚した」という事実を周囲になかなか打ち明けることが出来ずにおり、隠していることのうしろめたさや、知られることへの不安から交際範囲が狭くなったり、新しいことに挑戦できずにいた。このように、親の離婚は、離婚当初だけでなく、子どもの将来の生活にまで長期にわたって影響を与えることが明らかになった。」

引用・参考文献:(2002)『離婚と離婚家庭に関する調査研究』

 

離婚プロセスにおける子どもの適応リスクを緩和させる要因として、有能な監護親の存在と適切な子育て、非監護親との良好な関係、離婚後の両親間対立の減少が挙げられる。なお、共同監護は単独監護と比べ、子どもに対する保護効果が高く、一般的適応、情緒・行動的適応、学業達成度などの面で良いとの見解が示されている(以上、Amato(2010)の整理による。)。

引用・参考文献:無藤隆(2013)『子どもの成長発達をめぐる諸問題(下)』家庭裁判所月報 第65巻5号 P17